カワリヌマエビ属について
カワリヌマエビ属(Neocaridina)とは、十脚目 抱卵亜目 コエビ下目 ヌマエビ科 ヒメヌマエビ亜科 カワリヌマエビ属に属するエビの総称です。ペットショップなどに行くと、よく売っているレッドビーシュリンプなどは原種カワリヌマエビ属を改良したエビです。ペットとして以外にも釣り餌としても販売されています。
日本に元々生息しているNeocaridinaは
ミナミヌマエビ Neocaridina denticulata
イシガキヌマエビ Neocaridina ishigakiensis
イリオモテヌマエビ Neocaridina iriomotensis
イキシマカワリヌマエビ Neocaridina ikiensis
の4種です。
しかし、近年、外国産Neocaridinaやミナミヌマエビが各地に広がったことにより、元々ミナミヌマエビが分布していなかった地域まで確認されるようになってしまっているのが現状です。ミナミヌマエビは静岡県から鹿児島に分布しているのですが、この分布域内でも確認されているため、在来ミナミヌマエビ!と断言するのは中々難しかなってしまった上に、外来Neocaridinaによって在来ミナミヌマエビが数を減らしてしまっている現状もあります。また、ミナミヌマエビのみならず、同じ大卵少産型のヌカエビの数を減らす原因となっています。
下の写真に写っているNeocaridinaは神奈川県で採れた個体です。ミナミヌマエビかそれとも海外のかは、ちゃんと見てないのでわからないのですが、神奈川県で採れた個体なので外来種となります。
国内には外来種のNeocaridinaとしてN.davidi、N.palmata、N.koreanaなど複数種侵入しているのではないかと推察されています。その中でよく聞くのが、
シナヌマエビ Neocaridina davidi
分布 中国、韓国、台湾
日本では、各地で確認されている
現在では、N. denticulata sinensisやN.heteropoda heteropodaの2名義種群はシナヌマエビのシノニムとされています。
最初に房総半島で採集された標本群がN.davidiと同定されたことで、外来種として明らかになりました。
シナヌマエビとミナミヌマエビの形態的違いは、額角の長さ、雄の第3歩脚前節や雄の第1腹肢です。しかし、既に中間的な形態をもつ個体がいるとわかっていることから2種が交雑することも考えられています。
両種の額角の違い
第1触角柄部第3節の先端から触覚鱗を超える長さ
歯式は、上縁8〜20本の歯、下縁0〜9本の歯
・シナヌマエビ
第3節先端に達する長さ
歯式は、上縁13〜29本の歯、下縁1〜13本の歯
上の額角写真は、上縁16本で下縁4本写っているのがわかります。また、額角の長さもシナヌマエビの特徴に当てはまるような感じがするので、額角だけならシナヌマエビの可能性が高いかもしれないですが、雄の第3歩脚前節や雄の第1腹肢をちゃんと見てないので、断言はできないです。
問題だらけの現状、国内にいるカワリヌマエビ属。ミナミヌマエビのみならず、在来ヌカエビの減少にも繋がっているので、少しでも問題が解決されていければいいなと思います。
何か違う点や情報などがありましたら、色々教えてください!よろしくお願いします。